北新地競馬交友録

モチベーション

あっと云う間に過ぎたお正月。
お正月と云えば、ちょんまげを結ってふんどし一丁で走り回っていた頃から変わらないのが、凧揚げ、コマ回し、お年玉、してからが餅である。
食い意地の張ったお達者倶楽部が喉に詰まらせて、救急車で搬送されることもままある餅。
やっぱ、砂糖醤油で付け焼をして、海苔をクルクルと巻いた餅を食べないと、お正月を過ごした気分にならないと云う事であろう。
かくほど左様に、我々ニホリカ人にとってお餅は大切なのである。
そのお餅と縁切り寺になっているのが、ジャンプ界の至宝、18年平昌五輪で銅メダルの高梨沙羅ちゃんだ。

札幌の大倉山スキー場で開催されたノルディックスキー:ジャンプ女子W杯で、合計154・6点で今季自己ワーストタイの11位。
1回目で111メートルの9位に沈み、2回目も110・5メートルと飛距離を伸ばせなかった。
11-12年シーズンにW杯参戦以来、同一シーズンで2桁順位2度は初めて。
「かみ合わないジャンプが続いている」。
「助走路での姿勢を変えたがしっくりいかなかった」。
今季は試行錯誤を繰り返し、失敗を繰り返す悪循環で「モチベーションを保てずにいる」との嘆き節。

モチベーションは、二つの要因から成っている。
一つは『動因』と呼ばれ人の内側から行動を引き起こすもので、「ジャンプのコツがわかるようになってきて、なんだか最近飛ぶするのが楽しい!」
もう一つは『誘因』と呼ばれる人の外側から人の行動を誘発させるもので、「W杯で優勝すれば賞金でベンツが買えるから気合いが入る!」といったもの。
お正月で大切なのが餅なら、人間の行動で大切なのもモチ、モチベーション。
すべからく、もちがないと始まらないのである。

「マスターおはようございます。昨日のイーグルバローズには参りましたね」は、ニホリカで3番目にオツムのいい大学を出て、一部上場会社で禄をはむマスターの競馬友達K君。
「プラス10キロはちいとばかし気になったが、あそこまでだらしないとは泣けてくる。スタートで安目を売って後方追走に手一杯。上がりが36.3じゃ〜勝つどころか掲示板もねえのは当然だ。単勝1.4だぜ。関東方面ではイーグルバローズ被害者の会が結成されても何の不思議もねえョ。大体ルメ公の野郎がいけねえ。土曜日一勝もしてねえってんだから……何が年間最多勝だ!ふざけんな!ちゅう〜の」とこきおろしが止まらない。

「マスターの連勝記録も途絶えてやる気を失いますね」
「誰がじゃ〜?何でじゃ〜の寛平ちゃん。こったら事ぐれえでへこたれるなら、はなから競馬なんてやってねえョ。まだ玉は残っとるけんの〜の故菅原文太兄いだ。発表!『日経新春杯』デムーロのグローリーヴェイズ軸不動。相手はミナリクのアフリカンゴールド、宏司のシュペルミエール、康成のルックトゥワイス、豊のメイショウテッコン、将雅のムイトオブリガードまで。中でもミナリクのアフリカンゴールドに気があるがなんせ下手っぴだから、大外が厄でも将雅のムイトオブリガードを指名する。3着までなら何とかするだろう。ワイド1点!2ー16に2万と5千。今見たら3.7も付きやがんの。今日は当てるぜ!」と相成った。

高梨沙羅ちゃんは、モチベーションが下がっているようだが、北新地で吹けば飛ぶようなBAR稼業のマスター、1ミリたりともモチベーションは下がっていないと腕まくり。
デムーロJ、川田J、ケッパレϵ( ‘Θ’ )϶