北新地競馬交友録

マル外

大相撲でまたまた事件である。
東前頭6枚目の貴ノ岩関が冬巡業先で付け人の弟弟子に暴力を振るったと云うのだ。
貴ノ岩関はその責任を取り、現役を引退する意向を固めたそうな。
元横綱日馬富士が引責引退に追い込まれた傷害事件の被害者で、殴られた側が今度は殴っちゃ〜洒落にならない。
それにしても、番付表を見ると横綱の2人を筆頭に外国人だらけ。
唯一日本人横綱の稀勢の里関は、引退のタイミングを失して晒し者になっている始末だ。

そんなこんなで、外国人に席巻されている大相撲だが…………….。
「ありゃ〜化けもんだぜ。貴花田なんてまるで歯が立たねえじゃねか。なんせデカイ!2mは楽勝であるってんだからョ。2年前の大乃国を一発でオソボにして引退に追い込んだ取り組みを見た時から、末は横綱間違いなしと目っこを入れてたんだ。いよいよ初の外国人横綱誕生か。日本人も気合い入れなきゃダチカンな〜。曙太郎なんてふざけた名前を付けてるが、あの強さは本物だっちゅ〜の」
本名チャド・ジョージ・ハヘオ・ローウェン、日本名、曙太郎が第64代横綱に昇進した。

「小学生の駆けっこ『阪神3歳牝馬S』は、チイチイパッパで何考えてるか判らねえからチョイとばかし難しいが、幹夫のシスターソノ、貞博のタックスヘイブン、英二の外車ヒシアマゾンの3頭。穴なら3枠の2頭、熊ちゃんのケイアイメロディー、伸ニのツルマルガールまで。2枠、3枠、8枠をオッズを見て配分すりゃ〜お帳面のレースだ」
「南井克巳のエイシンバーモントが怖いで。前走、東京の『きんせんか賞』は見どころあったからな」

「お父さん、いいとこ見てんな〜、1600を2回走って、この距離ならドンと来いって事か。しかし小せえんだよな〜。430キロよかもっと小さく見える。英二のヒシアマゾン見て見ないや。474キロの堂々たるボディーだ。大きい事はいい事だ!デッカイドウ!北海道って、テレビでも宣伝が流れてんじゃん。エイシンバーモントが小学生なら、ヒシアマゾンは胸の膨らみだした女子高生てなもんだ。下手っぴの英二だが、跨ってるだけで勝手にいい位置を取ってくれるんだからョ」長講釈はマスターの昔からの悪い癖である。

「第4コーナーを回って直線!シアトルフェアー先頭か!シスターソノも粘っている!ヒシアマゾン来た!ヒシアマゾン来た!外からケイアイメロディー熊沢の左鞭が飛んでいる!先頭はヒシアマゾン!シスターソノは伸びない!ケイアイメロディー来た!ケイアイメロディー!先頭はヒシアマゾン!1馬身!2馬身!リードを広げる!ケイアイメロディー2番手!内からローブモンタント!外からタックスヘイブン!エイシンバーモントも来た!しかし!ヒシアマゾン!ヒシアマゾンだ!圧勝でゴールイン!」

1着 ヒシアマゾン 中舘英二
2着 ローブモンタント キネーン
3着 ケイアイメロディー 熊沢重文
4着 ツルマルガール 藤田伸ニ
5着 エイシンバーモント 南井克巳
「幹夫の野郎!だらしねえったらありゃしねえ。せっかく英二のヒシアマゾンが圧勝してるって云うのにョ。キネーン?ローブモンタント?そったら馬出てたのかよ〜。重文でも伸ニでもいいちゅ〜の。あ〜あ、これだから競馬はやなんだ」
毎度お馴染みの泣きが入って、はい!終了と相成った。

曙太郎が初の外国人横綱になり、外車ヒシアマゾンが、やまとなでしこ達をぶった切った『阪神3歳牝馬S』
1993年はマル外が大活躍した年だったのである。