北新地競馬交友録

逃げろ!裕信!

何故にLiveで毎日放送されるか謎だった『アジア大会』だが、先日、ハートを揺さぶられる試合がテレビに流れた。
男子73キロ級決勝、大野将平君のど根性柔道。
規定の時間では決着が付かず、ゴールデンスコア方式の延長戦までもつれ込んだ。
決勝で闘ったのは世界選手権で2度の銅メダルを獲得したKOREAの安昌林君。
大野君は試合の途中で相手が得意な左組みに変えた。
「俺は逃げねえぞ!」と、最後は左の釣り手を持ち、右の内股をさく裂させたのだ。
10分を超える熱戦に両者フラフラ。
大野君!確かに君は逃げなかった!

「マスターさん、おはようございます。あっと気が付けば小倉も札幌も最終週ですね」は熊本天草出身の○原さん。
マスターの競馬友達でお気楽な年金生活者である。
「そうよな〜、今年の夏ほど酷い目にあった年はねえ。酷暑のち台風。○○殺すにゃ刃物は要らぬ、雨の3日も降ればいいとは昔の諺だが、俺っちみてぇな浮き草稼業もおんなじだ。せめて馬券でチィとは楽になろうと足掻いても、どうする事もナッシング。よく息してると我ながら感心してる今日この頃ョ」と相変わらずボヤキに余念がない。

「本日の狙い馬はどの馬ですか」
「よくぞ聞いてくれた!メイチ気になる馬が、『札幌2歳S』のウィクトーリアだ。メイクデビューで最後は軽く流してのレコード勝ち。康成なんて跨ってただけだもんな。ありゃ〜奥がある。強敵はデムーロのクラージュゲリエ。スローで流れた前走、まともに追えたのは直線のみで勝ち切った。もっとも屋根があのマジックマンだ。デムーロなら割引きだろう。裕信はウィクトーリア一頭のために、捩り鉢巻きでの札幌入りだぜ。な〜に深く考える事ぁね〜んだ。ドン!とスタートを決めて逃げりゃ〜、あとはオイデオイデの楽勝だろう」

「馬券はどのように?」
「おう!単勝に1万と5千、元返しで複勝に3万と5千。締めて5万でいてこます。俺ぁ〜、西なら友一、東なら裕信が、ルメールやデムーロ、はたまた来春JRA所属になると噂のマジックマンに対して大和おのこの最後の防波堤だと思ってんだ。『敷島の大和心を人とはば朝日ににほふ山桜花』のお札を、ヘルメットの裏にでも張り付けりゃ〜万全なんだがョ」と結論付けた。

『アジア大会』の柔道で大野君は、「俺は逃げねえぞ!」で漢になったが、田辺Jには逃げて漢になって欲しい。
田辺J!地の果てまで逃げろ!チェスト!ϵ( ‘Θ’ )϶