北新地競馬交友録

そろそろ勝て

35度、6度は当たり前。
うなぎ登りに上がる寒暖計を見ながら、諦め気分が蔓延している大阪。
泣く子とお天道様には勝てないと全面降伏状態である。
気温が上がる一方で、シロクマ君も顔負けで冷え切っているのが、関西経済の動向を左右するとまで云われている『阪神ダイガース』

金曜日の夜、「マスター、チャンネル変えてくれますか」は、さくら夙川在住2代目の若社長Iさん。
「また、負けてますね。6点も取られてますョ」
「気分悪いです」
ニューヨークに留学、TOEIC960点のバリバリ国際派。
ニューヨークヤンキースでも応援するのかと思いきや、筋金入りの『阪神タイガース』ファンである。
大敗の予感に、外の気温とは裏腹に、ボルテージは下がる一方だ。

後半開幕伝統の巨人戦で、屈辱の3連敗。
ウィリン・ロサリオ内野手が1カ月半ぶりにスタメン復帰し、新外国人エフレン・ナバーロ内野手との初コンビで合計3安打したが勝利は呼び込めず怒涛の4連敗。
横浜DeNAなら何とかなるかと思いきや………序盤で勝負あった。
勝てない試合の連続に、若社長の目も虚ろになる北新地午後8時過ぎ、最下位はもう目の前である。

「マスター、おはようございます」は競馬友達のK君。
「ありゃ〜珍しいじゃねえの、チミが土曜日に繋ぎを入れてくるなんて」
「○原さんが、体調不良なんです。熱中症ですかね?昨日は板宿の病院で点滴を受けたようです。家には帰っているらしいですが心配ですので、今日は寄ってみるつもりです」
「ふ〜ん、○原さんも人の子って事か。でもいいよな〜、ひっくり返っていても、点滴打たれていても、お国からオゼゼが入る年金生活者だからョ。こっちとら、ルメ公がふざけた競馬すっから暑い、寒いなんて云ってれねえ状況ョ」と、まだ先週の『函館記念』の負けを引きずっている。

「そう云う事ですので、今日もし気のあるレースがあれば買ってから、○原さんのお見舞いに行くつもりです。早めの連絡待ってますね」
「早めもなにも今直ぐ云うョ。函館8Rにまた謙一のリガスが出んだ。函館で連続2着。ふざけた競馬しやがって、いつでも勝てる癖に許せねえだろが。さすがに3回連続2着はマズイだろうから今回こそ勝つ。単勝に2万だ。そうそう、○原さんに宜しく云ってくれ、人間長生きするだけが能じゃねえとョ」
「……….相変わらず無茶苦茶ですね」

『阪神タイガース』はいつ勝つかは不明だが、若社長の為にもそろそろ勝て。
それはともかく函館のリガスは今度こそ勝つそうな。
池添J!リーディングまだ有る!気合い入れたまえだ。