北新地競馬交友録

ビートたけしとフレッシュボイス

芸能界に衝撃が走った。
あのビートたけしが、所属事務所『オフィス北野』を、3月いっぱいで退職することになったのだ。
4月からは『T.Nゴン』という会社が、仕事のマネージメントを行なう。
その『T.Nゴン』は、2015年にA子さんという女性が設立し、昨年にはビートたけし本人が社長に就任。
A子さんはビートたけしより18歳年下のおばさんとは専らの噂である。

そのビートたけしは、過去に芸能界引退の危機に陥る大事件を起こした。
当時、親密交際していた専門学校生の女性に対し、『フライデー』の契約記者が、女性が通う学校の校門付近でビートたけしとの関係を聞こうと声をかけたが、それを女性が避けて立ち去ろうとしたため、記者が前方に立ちふさがってテープレコーダーを彼女の顔に突きつけ、手を掴んで引っ張るなどの行為に。
結果、頸部捻挫、腰部捻傷で全治2週間の怪我を負わせる事態が発生したのだ。

これに怒ったビートたけしは、『フライデー』の発行元である講談社に電話をかけ、強引な取材に抗議した上、「今から行ってやろうか」と通告し、翌12月9日の午前3時過ぎ、たけし軍団のメンバー11人と共謀して、タクシー3台にそれぞれ4人ずつ分乗。
東京都文京区音羽にある講談社本館の『フライデー』編集部に押し掛け、暴行傷害事件へ発展した。
今では歳を喰って、18歳年下のおばさんにへのこ玉を抜かれてしまったようだが、人気絶頂期での殴り込み。
若い時は気骨があったのである。

「東上最終便の『毎日杯』は、デビューからダートで2連勝。初芝の『きさらぎ賞』で2着に突っ込んだタケノコマヨシでやっ他目ねえ。清章も手が合ってら〜ね。1ハロン延長もドンと来いだろ。一番人気で4倍付くなら喜んで!の頑固炉端だ。え?『シンザン記念』を勝ったフレッシュボイスがいいんじゃないかって?やだね〜ど素人は、ありゃ〜展開が嵌っただけだ。1600から2000の距離延長じゃ〜一枚も二枚も評価を下げるって〜のがプロってもんよ」と、昔から聞かれてもいないのに長講釈はマスターの悪い癖だ。

「第4コーナーから直線!メイショウタイテイ先頭!内カネデンアーガス!外からタケノコマヨシ!メイショウ先頭!メイショウ先頭!一番外からフレッシュボイス!一気に伸びるフレッシュボイス!シンザン記念に続いてフレッシュだ!フレッシュだ!差が開く!こんなに強いのかフレッシュボイス!また差が開いた!3馬身!4馬身!雪は止んだフレッシュボイス1着」
季節外れとも云える雪が舞う阪神競馬。
最後方からの一まくり、フレッシュボイスの圧勝に茫然自失のマスター。

1着 フレッシュボイス 田原成貴
2着 タケノコマヨシ 伊藤清章
3着 ベルロッチ 南井勝巳
単勝570円、複勝210円、枠連470円。

ビートたけしが『フライデー』編集部に殴り込みをかけたのも、フレッシュボイスが『毎日杯』をぶっこ抜き、勇躍中山の『皐月賞』に殴り込みをかけたのも、どちらも1986年の出来事であった。
随分昔の話しだな〜。