北新地競馬交友録

人生幸朗:「みなさん、聞いてくださいよ、この前ね、タバコがどっかいってわからなくなって探していたんです。そしたらね、ラジオから井上陽水の『夢の中へ』という歌が流れてきたんです。」

人生幸朗:「探し物はなんですか、みつけにくいものですか」 

人生幸朗:「それを聞いてね、見つけにくいから探しとんのや、思いながら、まだ探しとったんですよ。そしたらね、」

人生幸朗:「まだまだ探す気ですか」

人生幸朗:「それより僕と踊りませんか」

人生幸朗:「おのれ、人をバカにしとんのかぁ~~~~っ!!!」

ボヤキ漫才不世出のコンビと云えば、もちろん故人生幸朗・生恵幸子師匠。
お二人が健在なら「責任者出て来い〜〜〜!」とボヤかれたであろうぐらい暑い日が続いている(≧∇≦)
当然ヘロヘロになるのでスタミナを付けねばならぬとなれば鰻の出番。
バット!これがお高い。
チャイナ産ならAEONで1200円程度だが、静岡・鹿児島辺りの国産となると2000円はする。
馬券で云えば三連複一頭軸相手5頭一目200円は買えるのだから馬鹿にならない。
勢い汗水垂らして稼いだお金で買うには痛しいと馬券で儲けてからとなるものの、普通は「鰻20匹は食べれてた!」と嘆く事が万度なんだが………..。

「札幌は方角が悪ぃ。小倉でいてこまそう。もっとも今の俺の運気じゃ〜まともに買っても当たらないだろう。発表!小倉9R『響灘特別』のヨシオ君で行く。若武者弘平のビスカリヤが断トツ人気だろうが、このクラスを勝ち上がれないだけでなく、右回りより左回りの方がいいサウスポーで、馬券圏内を外しても俺ぁビックリしねえな。ヨシオ君の屋根は小倉で勝たなきゃいけま〜がのスグルちゃんだし降級馬だ。アタマで5.3倍付くなら万歳三唱よ。単勝に1万と5千。元取りで複勝に3万と5千でご機嫌窺いと行こう」と結論付けたマスター。

「直線に入った!先頭はヨシオ!振り切って1馬身のリード!2番手、3番手はカレンマタドール、キョウワダンサー!残り200を切った!」
ポン!とスタートを切った浜中Jが向こう正面でハナを奪って逃げ切り体勢、怖いビスカリヤはまだ後方で、これにはマスター燃えた。
「ヨシオ!ヨシオ!ヨシオ!ヨシオ!」
と浜中J騎乗のヨシオに渾身の声援をおくる。
「ヨシオ先頭も大外からビスカリヤがジワジワと接近!単独3番手から2番手!先頭を伺う勢い!」
「ヨシオ!そのまま!」とマスターもう一声。
「ビスカリヤ追い込むも!ヨシオ先頭でゴールイン!3番手はキョウワダンサー」
5万円買って払い戻しが10万と3千円。
土曜日に5万円のガミを喰らっているから、僅か3千円の利益である。
こんな小銭で大騒ぎするなら、それこそLAWSONでバイトした方がナンボかましたが……..馬券での儲けは格別のようで。

「マスターさん、おめでとうございます」
「おう!こんな事なら単勝10万ばかし買ってたらよかったぜ。あ〜あ儲けそこなった。まあ〜いいや。ちょっくら頼まれてくれ鰻が食いたい。ウインズの近所に小汚い鰻屋があっただろう。お持ち帰りで3人前頼むわ。マンションまで届けてくれや」
「ご馳走様です」
「誰〜れがじゃ?何〜んでじゃ?」
「だって3人前でしょ?」
「たわけ!俺が2人前食べて、マミー芳子ちゃんに1人前で締めて3人前だよ。食べたきゃ自分でマニー出さんかい!万度人にばっかたかるんじゃねえよ」
「…………….交通費が…………」
「は〜?どの口が云ってんだ、これまで天文的金額を奢ってやってるじゃねぇか」
「……….判りました」
特上鰻弁当一人前3千円。

「食べるもんは安いの〜。馬券代と比べりゃただみてぇなもんだ。来週も当てて連続鰻といてこますか!」
馬券でやられると、人生幸朗師匠よりボヤキがきついマスター。
今週は損しなくて良かったな!(^O^)/