北新地競馬交友録

函館の漢

『函館の女』 by 三郎北島

はるばるきたぜ 函館へ
さかまく波を のりこえて
あとは追うなと 言いながら
うしろ姿で 泣いてた君を
おもいだすたび 逢いたくて
とても我慢が できなかったよ

函館山の いただきで
七つの星も 呼んでいる
そんな気がして きてみたが
灯りさざめく 松風町(まつかぜちょう)は
君の噂も きえはてて
沖の潮風 こころにしみる

迎えにきたぜ 函館へ
見はてぬ夢と 知りながら
忘れられずに とんできた
ここは北国 しぶきもこおる
どこにいるのか この町の
ひと目だけでも 逢いたかったよ

年配の方にはお馴染み、サブちゃんの『函館の女』
クルクル回るこぶしが小気味いい。
明治維新の戊辰戦争時には、旧幕府軍が最後の拠点を置き『蝦夷共和国』を設立。
星の形が斬新だった五稜郭に立て籠もった。
そして、あの有名な新撰組の土方歳三が35歳の若さで銃弾に倒れる事となる。
残されている写真を見ると、これがかなりのハンサム。
さぞかしモテただろうと想像するのに難くないのである。

「小さい街ですから、どこに行っても知り合いと会いますね。競馬ファンの女の子も多くて、ジョッキーはとにかくモテるんですよ」とマンジをマスターにかましているのは、週半ば某馬主さんと来店してくれた栗東居残りの某ジョッキーだ(^O^)/
競馬関係者、特にジョッキーにとっては天国みたいな街なんだとか。
その函館で大暴れしているのが、ヤスナリ事岩田J。
この函館開催で、1着11回、2着12回、3着7回と云うのだから凄まじい。
迷ったらヤスナリ!は今や函館の馬券を買うなら常識である。
その天国からヤスナリが中京に帰ってくる。

「マスターおはようございます。目の具合はどうですか?」と競馬友達のK君。
「うむ、順調に良くなってる。普段の行いがいいからだろう」
「…………………」
本当に行いがいいなら、そんな病に取り憑かれる事はないんじゃないか?なんて突っ込みは天井裏に置いといて、回復基調なのは喜ばしい事である。
「もう一か月も神戸元町のウインズに行ってねえから、そろそろ、そろ〜り助左衛門で出張るか。毎週家でグリーンチャンネルと睨めっこするのにはうんざりだ」
「それはいいですね。喫茶店のおばちゃんも寂しがってます」
「オバタリアンはどうでもいいよ。行くからにゃ〜当てねえとな」
「そう云えば、岩田Jが函館から里帰りですね」
「そうよ!それ、それ。メインの『プロキオンS』で勝ち負けかと思や〜乗鞍がねえじゃん。出馬表を隅から隅まで見たが……あいつ何で帰ってくんだ?相変わらず不思議な野郎だぜ」とマスター。

「5鞍乗ってますが、9R500万下『清洲特別』が最上位のレースとは驚きですね」
「だよな〜。交通費ぐらえは稼がないといけま〜が。5鞍の中で1番来そうなのが、3Rのキョウワヒラリーだろう。ポン!とハナを切ったらオイデ、オイデの大楽勝だ。発表!枠連!キョウワヒラリー3枠から流す。相手は人気先行だがオッズと相談して、豊のサトノシュテルン4枠を厚めの2万。後は1.2.6.7枠に各1万で取ったも同然だ。4枠がぶっ飛びゃ〜いい配当にならあね」と結論付けた。
1週間で10万円以上は馬券を買わないとの決め事を破るマスターだが…….「いいんだよ!神戸元町ウインズ復帰祝いなんだから」らしい。
馬券が嵌れば、ご贔屓の寿司屋に突撃するんだとか。

北の大地、函館の漢、岩田J!ガンガッてくれたまえ!