北新地競馬交友録

男で良かった!牝馬で良かった

この世の中、金の心配と女の悩みと病気がなければパラダイス。
金も女も無いけれど、「ボンビーは病気なんかしねえんだ。そったら余裕ねえもん」のマスターが病に冒された。
病名は『顔面神経痛』左半分の顔が麻痺したのである。
チョイとばかし、これが難儀な病で、初期のステロイドの大量投与と、ウイルスを絶滅させる抗菌剤を服用ないしは、入院しての点滴が治療法だ。
「先生、とてもじゃないが、来週は北新地の店の5周年なんだ。ノンビリ入院している余裕はねえよ。ガッチリ薬出してくれ」とマスター。
「血液検査をして糖尿等の数値のチェックをしないと無闇矢鱈に一回辺りの量を多くお出し出来ません」と血液検査。
これがニャンと!「毎日、お酒を飲まれて、1週間に4度は肉を食べる偏った食事をされているようですが、数値に全く問題ありませんね。中性脂肪ぐらいですよ。気を付けないといけないのは」
「だからボンビーは病気なんてしねぇの」
(しっかり顔面神経痛になってるじゃないか(・_・;)
鏡に映った自分の顔を見て、「男で良かったぜ。おなごなら気絶してるよ」
1日も早い完治を望むなるなりである。

「マスターさん、先週は『安田記念』で、代用、代用の奇跡的な当たりをゲット!乗ってきたところでもう一丁といきましょう」と熊本、天草出身◯原さん。
「全然乗ってねえよ。◯原さん、短けえ付き合いだったな」
「え!どうしたんですか」
「ここ40年、病気らしい病気は一度もした事がなかったが、今回ばかりは参った!参った!の成田山新勝寺よ。俺も好き勝手生きて来たが、ついに白装束に草鞋を履かさるかもしんねえ。まさか『宝塚記念』のキタサンブラックの勇姿が見れねえとはな〜」
「………………….」
「まあ、それはオーバーだが………。検査だ何だかんだで物入りなんだ。こったらもん汗水たらしたマニーで馬鹿馬鹿しくて出せるか。競馬でいてこますしかないじゃん。発表!阪神10R『舞子特別』竜二のエントリーチケットだ。末脚はしっかりしてるし、何せ3歳牝馬52キロの裸同然だ。強敵になりそうな鎌一のドルチャーリオなんて57キロだぜ。ゲンのいい枠連エントリーチケットの4枠から将雅のクライムメジャーと康成のラッフォルツァートが同居した7枠が本線で2万、ドルチャーリオの4ー6に1万。万が一の保険、元返しで縦目の6ー7に7千。まさかのゾロ目7ー7に3千。締めて4万でご機嫌窺いだ」と結論付けた。
マスター、随分と所帯染みた買い方だが、やっぱ病に冒されて少し弱気になっているのかも(≧∇≦)

顔面神経痛になったのは災難で、完治する保証はないが、ご面相の事なら少々の事は男なら我慢出来る。
牝馬は裸同然52キロで走れる。
男で良かった!牝馬で良かった!