北新地競馬交友録

鶏口牛後

諺曰、寧爲雞口、無爲牛後。
今西面交臂而臣事秦、何異於牛後乎。
夫以大王之賢、挾彊韓之兵、而有牛後之名、臣竊爲大王羞之。

大人気(嘘)の漢文シリーズです(~_~;)
出典はChina3千年の歴史の中でも著名な書『史記』蘇秦列伝。
本来は大きな集団や組織の末端にいるより、小さくてもよいから長となって重んじられるほうがよいという意味だが、競馬に置き換えると……..。

「何が何でも勝つ気で乗るらしい。ペース一つでハナを切るぐらいの気持ちやと云うとったわ」
「雄太の野郎!迷惑だな〜3着以内を確保。展開が向けばアタマまででいいのに。そんな乗り方されて、最後ズブズブになったら一大事ですぜ」
「………………..」
これが金曜日、マスターと京都馬主協会会員さんとの会話だったのだが………。

「直線コースに入って400を通過!ボクノナオミ先頭!リヴァイバルが2番手!その内からティーゲット!サンマルアリュール差を詰める!」
スタートを五分に決めて向こう正面で先頭に立とうとするボクノナオミを見て「番手!番手でいいんだよ!雄太行くな!」と一声のマスターも、事ここに至れば是非もない。
「どりゃ!雄太!行け!いてこませ!極!来るんじゃねえ!」大絶叫モードに突入だ。

「残り200を通過!ボクノナオミ先頭!お〜お外からリリーグランツ!リヴァイバルが2番手から差を詰める!ボクノナオミ粘る!粘る!リヴァイバル並んだ!ティーゲット3番手!リヴァイバル交わして先頭!2番手ボクノナオミ!3番手はリリーグランツか!」
土曜日中京6R500万下牝馬限定。
1着 リヴァイバル 荻野J
2着 ボクノナオミ 中谷J
3着 リリーグランツ 木幡初J
複勝150円
三連複2250円

「二週連続で『雄太貯金』を発動する。まずは複勝に3万4千5百。三連複1頭軸流し相手は内から初也のリリーグランツ、雄一のコットンパール、一樹のアキノバレリーナ、極のリヴァイバル、ジェントル幸ちゃんのオールスマイル、恭介のハッピーロングラン、翼のセングウの7頭21点張り。一目3千で6万3千締めて9万7千5百でいてこます」と結論付けたマスター。
払い戻しは11万9千2百5十円で、利益は僅か2万1千7百5十円とは泣けて来る。

「やれんの〜3着に変なのが来たら跳ねてたのによ〜。4番人気の初也じゃ三連複が行って来いでどうする事もナッシングよ。こんな事なら複勝に全額打ち込みゃ〜良かったぜ」
「マスター、変なのたって4着のティーゲットも5着のモアアピールも二桁人気でしたが買ってませんよ。3着に突っ込んでくれた木幡Jに感謝しなくちゃ」
「馬鹿タレ!この馬鹿タレが〜俺は7番人気恭介のハッピーロングランで良かったんだよ〜。もし3着なら一万以上付いてんだからそれだけで30万はあった( ̄^ ̄)ゞ」とオカンムリ。
5馬身離された6着を無理くり3着のタラレバとは、勝負師どころかただの馬鹿である(笑)

「マスター2着や」と馬主さん。
「そうですね。ハナを切った時はどうなる事かと思いましたが、まあ〜上出来ですよ」
「何とか勝ちたかったけどな〜」
「また、また〜。年内走らせて繁殖でしょ。牡馬じゃないんだから、1000万に再昇級して馬場掃除で疲弊する羽目になったら悲惨ですよ。いい子産んでくれません。500万で常に上位に来てくれるのが楽しめますし最高です」
「……………」

モチロン常に1着を目指すのが競馬だが…….『鶏口となるも牛後となるなかれ』それもまた競馬なるなりである。

皆様、お付き合いありがとうございました。
また、明日、宜しくお願い申し上げます。