北新地競馬交友録

シャウト

第24回参議院選挙が本日公示され、いよいよ松本伊代で夏の陣の幕が切って落とされた。
各党の党首が全国各地で第一声を上げ、安倍ちゃんは、午前中熊本、午後からは福島と電撃作戦を敢行。
それにしても、昨今は思わず聞き入るような演説巧者がいない。
安倍ちゃん、岡田君はお坊っちゃま丸出しでちっとも迫力がないし、山口君もこれまた優等生。
志位君は「……….ではないでしょ〜か?」を連発。
「俺に付いて来い!」そんな気概を感じさせてくれればいいのだが…….。

各党歴代の党首で演説巧者と云えば、ご存知「よっしゃ!よっしゃ」の角栄さんだが、1番インパクトがあったのは『春日節』と称された、民社党3代目委員長故春日一幸さん。
演説の内容はよく判らないものの、とにかく声がデカくて、口から泡を吹きながら「皆んな聞いてくれ!俺は怒ってんだ!」
観衆にねめつけるような視線を注ぎ、唸るようなダミ声で獅子吼する。
若かりし頃は詩人を目指し、ダダイズムに傾倒。
自分に才能がないと悟り、自殺までやらかした繊細な神経の持ち主とはとても思えないド迫力であった。

「頼りになるのはルメールしかいない。K君の推奨東京8Rディスティンダリアとタイセイプレシャスのワイドで勝負する」と3万円を張り付けたマスター。
「第4コーナーのカーブ600を通過しました!シルバージェニー先頭!ディスティンダリアがそれに並び掛けます!」
さっと好位置をキープしたルメールJのディスティンダリアが直線を向いて早くも抜け出すかまえ。
「よっしゃ!それでいい!ルメールいてこませ」思い通りの展開にマスターが一声。

「2頭の後ろからブレイジングサンが差を詰める!内に入ってウインバローラ!残り400を切った!」
ディスティンダリアの3着以内はまず間違いないが、相手のタイセイプレシャスはまだ中段の外目。
「ベリ〜ベリ〜」
K君がか細い声で声援を送る。
「馬鹿野郎!そったら蚊の鳴くような声で来るか!ベリー!ベリー!ベリー!コンニャロ!差せ!差せ!差せ!プリンスじゃますんじゃねえ!ベリー!」
地獄の底から湧き上がってくるようなダミ声で、マスターが渾身のシャウトだ。

「アサクサレーサーと共にタイセイプレシャスが大外から突っ込んで来る!残り200の標識を通過!先頭はディスティンダリア!外からタイセイプレシャス!タイセイプレシャス!ディスティンダリア!タイセイプレシャス!2頭並んでゴールイン」
1着 ディスティンダリア ルメールJ
2着 タイセイプレシャス T・ベリーJ
ワイドで260円も付いたんだからこりゃ美味しい(^O^)/

「K君よ〜いい仕事すんじゃんか!やったな〜」
「ありがとうございます。マスターのお陰です」
「そうよ!俺の応援のお陰だぁね。あれで2馬身は違うぞ」
(この人無茶苦茶云いますね 笑)
「で幾ら買ってたんだ?あ〜ん」
「僕もマスターと同じ3万円です。もし外れて5千円しか買ってなかったら、無事で済みませんから」
「よく判ってんじゃんか。命拾いしたな〜」
「………….」

人の予想に乗って儲けたくせに、上から目線のマスターはお行儀が悪いが、あの腹の底から絞り出すようなシャウトは、さすがに叫んで来た数が違う。
神戸元町ウインズ競馬ファンのへのこ玉を抜くド迫力で、故春日一幸さんも顔負けなのである( ^ω^ )

明日は、◯原さんが命運を掛けた『ユニコーンS』
マスター、またまたシャウトしますよ(笑)
皆さまお付き合いの程、宜しくお願い申し上げます。