北新地競馬交友録

得意戦法

日曜日の午前中。
かつてテレビが熱かった時代があった。
各局が政治をテーマの中心に据えた番組で凌ぎを削っていたのだ。
その番組の一つが『サンデープロジェクト』である。
ジャーナリスト田原総一郎と、島田紳助のダブル司会。
芸能界を不名誉な理由で引退した島田紳助は、どうにもならない低レベルであったが、田原総一郎はさすがに芸が細かくて、政治家を上手く煽って討論を盛り上げていた。

TBS『サンデーモーニング』
NHK『日曜討論』
フジテレビ『報道2001』
そしてテレビ朝日『サンデープロジェクト』
BIG4の果たした役割は小さくなかった。
『サンデープロジェクト』が終わった後も、各局は番組が続いているが、テーマが総花的になり、討論も随分と大人しくなってしまって、見ていても全然触発されるところがない。

勢い、最近のマスターは、午前中気のあるレースがなくて、朝イチから競馬場やウインズに突撃しない時も、グリーンチャンネルの合間に見ていたこの手の番組を一切見なくなった。
代わりに見るのがNHKEテレの『将棋フォーカス』と『将棋トーナメント』
将棋の腕は学生時代はアマチュア2段。
少しは強かったのかと云えば、激しく弱かった。
その理由は、『将棋世界』と云う雑誌に詰将棋の答えを毎月送って、ポイントが溜まれば自動的に貰える、なんちゃって2段だったからだ(笑)

得意の戦法は振り飛車。
中でも穴熊と云われる、金銀3枚で王様を囲って、飛車、角、桂馬、香車、残りの銀を使って攻める戦法が得意であった。
中盤、少々の駒損なにするものぞ!
ノーガードで殴り合いをしているような展開になる事がほとんど。
これ一本槍なのだからある程度は勝てる。
特に定石にこだわる正統派には、時として爆発的な破壊力を発揮した。
突破者であるマスターにマッチした戦法なのである。

「マスターさん、先週も中谷J、人気薄で3着突っ込んで来てましたね」
「おうよ!びっくら来いたぜ。バット!○原さん、ガリゲットは買えねえよ。2桁着順3連発だぜ」
「一気の距離短縮で穴になりました。複勝が860円も付くなら、少し遊びで買っても良かったですね」と競馬友達のK君。
「ば!馬鹿野郎!競馬は終わってからなら何とでも云えるんだよ。あったら馬まで買ってたら、おゼゼが幾らあっても足りねえよ。こちとらおゼゼの成る木がある訳じゃねえんだ…….」
とんだやぶ蛇で首をすくめるK君と○原さん(≧∇≦)
「今週はどうですか?マスターさんのナイスな予想を教えください」
○原さん、ズケ取りに必死なのである(笑)

「そうさな〜、小倉が始まって乗鞍は多いが、コレだ!て自信を持って買える馬はいねえが、ひょっとしたらひょっとすんじゃねえかと思う馬がいんだよ」と勿体を付けるマスター。
「早くおしえください!」
「K君当ててみないや」
「う〜ん、難しいです」
「しょうがねえな〜。オメー達も立派なまなこが付いてんだから、ネットでも何でもしっかり予習せんかい!土曜日、小倉9Rローザズカレッジよ。この馬の前々走は9月不良の小倉ダート1700弘平の捲りのタイミングが早過ぎでちょい負けの2着。休み明け12月の阪神では3番人気を裏切る9着。
立て直して、得意の小倉、しかも雨。人気もそんなしねえだろう。ここで買わなきゃ買うときゃねえぞ!」

「雄太の得意な戦法はなんないK君?」
「モズライジンに代表される捲りです」
「だろうが!ペースを読んでの男度胸の捲り一発よ。バット!相手関係は緩くねえ。伸び盛り隼人のトミケンシェルフ、堅実無比祐次のマイネルボルソー、一回おきに好走する稜のマルイチワンダー、ローカル大好き康太のメイショウナガマサと、勝ってもおかしくねえ馬がワンサカいてんだ」
「マスターさん、枠もまだ発表になってません。馬券危なくないですか?」
「うん、危ない、かなり危ない。出遅れの危険もある。ベリーデンジャラスよ。しかし、もう一度バットだ!厩舎を見んかい!池添学だぜ。去年の10月に一度乗ったっきりで、これまであまり縁のなかった厩舎だ。しかもこの厩舎は某有力クラブの……….。雄太としたら担いでもいい所見せてえはずよ。複勝でいいだろう。『雄太貯金』50万から出っ張りの4千円でご機嫌伺いと云いてえところだが、それじゃ〜気合を入れてるだろう雄太にカッコがつかねえ。5万プラスで5万4千円と勝負を掛ける!」

マスターのいきなり5万越え宣言にゴクリと息をのんだ○原さんと、K君。
大丈夫か!マスター( ̄(工) ̄)
中谷J!得意の捲り戦法宜しくお願い致しまス。