北新地競馬交友録

よ!世界一!

『MUGO・ん…色っぽい』by工藤静香

言えないのよ 言えないのよ

言いたいことならどれくらい
あるかわからなくあふれてる
私心はおしゃべりだわ
言いたいことならあなたには
あとからあとからあふれてる
私意外とおしゃべりだわ
なのにいざとなると内気になる
遠い場所から何度も話しかけてるのに

※目と目で通じ合う
かすかに ん、色っぽい
目と目で通じ合う
そうゆう仲になりたいわ※

☆MUGO・ん いくじなしね
MUGO・ん 淋しがりね☆

ボーナス支給も佳境に入った。
マスターと長いお付き合いのある○○さんは、大企業とは云えないが、中堅どころのサラリーマン。
「出ましたか?」
「出たね。まあまあかな、もっとも家のローンや教育費etc。行く先は殆ど決まっていて、こっちに回ってくるのは雀の涙だ。毎日ストレス抱えて、云いたい事も我慢、我慢でこれだから、嬉しいとは云えないね」
「すまじきものは宮仕え。私も昔は安物のサラリーマンでしたから、気持ちは良く判ります。月夜の晩ばかりじゃねえんだ!心の中で悪態をつきながら、1人で苦い酒と一緒に流し込んだもんです。もっともサラリーマンを辞めても、結局同じですよ。云いたい事を云えるなんて、死ぬまでないんじゃないですかね」
「…………………….」

「K君よ、『香港国際競争』に出る、エイシンヒカリの馬券を買いてんだ。何か方法ねえか?」
「無理ですね。来年辺りからJRAが申請を出して、海外の馬券も買えるようになるかもとの情報が流れてますが………」
「やる事が遅えんだよな〜。消費税を国民から分捕る話しなら、嬉々としてやるくせによ。今回は絶好の狙い目よ。なんせ豊大明神がマジカル怒ってんだもん。播州信用金庫からマニー借りても買いてえ。君、香港に友達いねえの?世界の○○なんだから営業所ぐれえあるだろが?あ〜ん」
「いません。上海ならいてるんですけどね〜」
「この!役立たずが」

「意味が分からない絡まれ方をされて、無駄脚を使わされたね。絡まれるともろいという弱点が出てしまった。まぁ、勝負だからしょうがないけど」
武豊Jの『チャンピオンズカップ』レース後のコメントに賛否両論が沸騰した。
否定的な発言では、「日本人ジョッキーは考えが甘い」、「世界では早目に前を潰しに行くのは常識」、「そんな事を云うから日本の競馬はガラパゴスと云われる」etc。
武豊Jは日本の宝と常日頃云い続けているマスター、「面と向かって、フェイス ツー フェイスで云ってみろ。そんな根性もねえくせに、影でコソコソ非難しやがって、アタマ来るぜ!」
武豊Jの身内以上に怒ったのが、ついこの間の事だ。

「さ〜4コーナを回ってエイシンヒカリが先頭!逃げる!逃げる!エイシンヒカリ。2馬身、3馬身。内からヌーボーレコルト!エイシンヒカリ、先頭でゴールイン!」
エイシンヒカリと武豊Jは凄かった。
影も踏ませぬ逃走劇はお見事の一言だ。
「バートンやボウマンは何をやっとるんなら。潰しに行くのが世界の常識じゃねえのか。ざま〜見ろってんだ。あいつら日本のレースを舐めてんだよ」
いつもの台湾料理屋で、レースのリプレイを見ながら、右手の拳を高々と突き上げた。
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武豊J、溜飲を下げました。
マスターじゃないですが。云いたい事を云いたくても、ぐっと堪えての身過ぎ世過ぎが、悲しいかな庶民の生きる術。
せめて武豊Jはド〜ンとかましてやってください。
よ!世界一!