北新地競馬交友録

鼻差で天国と地獄

長生きの秘訣としてドクターがよく「バランスのいい食事を取りなさい」と云う。
肉、魚、野菜。
特に野菜をしっかり取る事が大切なんだとか。
「長生きなんてしたら哀しい事ばっかが増えるから、適当なところでお役御免と行きてえな〜」とマスター。
食生活はいい加減の極みで、食べ過ぎると身体に良くないと云われている、インスタントラーメンをしょっ中食べている。

今年も残すところ後2ヶ月。
朝晩はめっきり寒くなって来て、水道の水もヒャッコイ!ヒャッコイ。
『A watched pot never boils』イギリスのことわざである。
見ている鍋はなかなか沸騰しないと云う意味。
ガスレンジに掛けた鍋の前で腕組みして、ラーメンを投入するタイミングを測るも…………….。
待つ身は辛いのである(≧∇≦)

「残り400を切ってラブリーデイが抜けだす!エイシンヒカリを交わした〜!外からステファノス!イスラボニータも突っ込んで来た。その外からショウナンパンドラ!」
マスター自信の本命ラブリーデイは強かった。
少し早いと思う抜け出しながら、後続を振り切っての優勝だ。
本来ならそこでガッツポーズなんだが、「一頭怖えのがいる。度胸1番謙一のショウナンパンドラよ。上がりの脚は半端ねえぞ!ラブリーデイとのワイドも買っとくか」そのショウナンパンドラが最後の最後に大外から差し込んで来た。

マスター、ラブリーデイの単勝1万。
同じくラブリーデイの複勝3万。
そしてショウナンパンドラとのワイドを1万買ってたもんだから大変だ。
「マスターさん、ショウナンパンドラ差してますか?」
「う〜ん。判かんねえ!差したような気もするが、首の上げ下げでイスラボニータの方が…………」
なんせ直前のオッズで5.6ー6.1ついていたんだから3着と4着とでは大違い。
鍋の水が沸騰するのを待つのとは比べものにならないぐらい、ジリジリするも時が過ぎない。

「あ!16番イスラボニータだ」と競馬友達のK君。
同時に場内ドッと歓声が上がるのがモニターから聞こえて来た。
「6万落とした(~_~;)」
「でもマスター推奨のラブリーデイは勝ちましたし良かったじゃないですか」
「うつけ者!ショウナンパンドラが落っこちで、5万買って払い戻しが8万2千円よ。3万とチョイしか浮いてねえじゃん。こんなの勝ったと云えるか 怒」
マスターの機嫌極めて悪く、まるで負けたような空気が漂う神戸元町ウインズ午後4時前。
競馬は鼻差で天国と地獄を地で行く結末だ。

「良子さん、取りましたよね。やはりラブリーデイは最高です!」
○原さんがハッシュパピーのように良子さんに纏わり付いている。
K君が空気をよんで目で「やめとけ!やめとけ」とサインを送るも、まるで気が付いていない○原さん。
「アタマ来た!俺は帰る」肩を怒らせながら大股で出口に向かうマスター。
それを慌てて追いかけるK君。
どうにもほろ苦い『天皇賞』になったが勝ちは勝ち。
マスター贅沢なんだよ!

皆様、お付き合いありがとうございました。
本日、我らが中谷Jが門別『北海道2歳優駿』にキョウエイギア号で挑みます。
出走は20時ジャスト。
ご声援宜しくお願い申し上げます!