北新地競馬交友録

撒き餌

この夏、茨城県の海水浴場の沖でサメが出たと大騒ぎになった。
マスターがダイビングでお世話になっている和歌山串本の船頭さんによると、串本沖でもしょっ中サメを見かけるとの事。
原因は釣り人の撒き餌。
衰えぬ釣りブームを背景に、釣り人がオキアミ等の撒き餌をバンバン。
そのオキアミに群がる小魚をパックンチョしようと、サメが集まって来ているそうな。

「もし潮に流されたら、死に物狂いで岸目指して泳がんとアカンで。
沖まで持ってかれたらサメにやられるから」
「マジカル!かよ〜?」
「そや。年間で考えたら信じられんぐらいの撒き餌がぶち込まれとるんやから、そらサメも寄ってくるがな」
「話し合いで何とかならねえの」
「相手はサメやで Σ(゚д゚lll)」
撒き餌効果は凄いらしい。

「○原さん、ショートメール打っとけ」
「はあ?」
「はあ?じゃねえよ。先週連絡先をゲットしてやっただろ。あのおばさんにだ。○川良子って云ったっけ?」
「なんて打つんですか?またお会いしたいですかね?」
「あ〜やだね。そったら内容でハートに刺さる訳ゃねえだろが。そうさな〜」とマスターが腕組み神戸元町ウインズ12時半過ぎ。
悪だくみをさせたらこの男に敵う人はいない(≧∇≦)

「今日の10R絶対当たる自信があります。是非!ご一緒に儲けましょう。これだ!これで行こう」
「マスターさん、そんな事云ってハズレたらどうするんですか?」
「そんときゃ、謝りゃいいのよ」
「………………」
「マスター、あんまり○原さんをいじめないでくださいよ」
「K君!何云ってんだ。俺は親切心で……………」
「○原!打ちます」

マスターの狙いは3歳馬の中でダートなら半端なく強いと評判のスーサンジョイ。
なんせ今まで9回走って、新馬4着以外は3着1回後は全てアタマか2着。
G1はともかく末はG3やG2は間違いなく取る逸材だ。
オッズも2倍付くか付かないか、芦屋○真幼稚園のキッズ達でもこの馬の強さは知っている。

「どうも!どうも。呼び出しちまって悪かったな。○原さんが自信モリモリのレースがあるんだとよ。おい!とっとと良子さんにレクチャーせんかい」
「このレースはスーサンジョイがアタマ鉄板です。でも配当が安いですし、競馬の事ですから安全策で、前々でレースが出来る酒井Jのメイショウオセアンとのワイドがいいと思います」
「うん!俺もそう思う。○原さんが是非良子さんにも儲けて貰いたいってよ。いや〜いい男だね」

本当に来るかどうか半信半疑だったが、良子さんがマジに来ちゃったのである。
マスターから聞いた話しをオウムのように何度か繰り返し練習していた○原さん。
結構自信ありげにレクチャー。
「竜二が持ったまんまだぜ。スーサンジョイは物が違わあね。学!追い負けんじゃねえぞ!」
レースはスーサンジョイがおいでおいでの大楽勝だが、最後の直線、メイショウオセアン、エリアコンプリート、ロードガルーダが雁行状態だ。

「おりゃ〜!学!学!この野郎しっかり追え!」
マスター、○原さん、K君。
ここでメイショウオセアンが4着に落ちるような事があれば恥をかくと大声援を送る。
「マスターさん際どいです」
「え?何が?しっかり眼を開けて見ろ。間違いなくなく2着は確保している」
「本当ですか?」
「ば、馬鹿野郎!俺を疑うのか。こちとら30年以上競馬見てんだ」

何とか酒井Jが2着を確保。
ワイド1ー4で240円とはしょっぱい配当だが当たりは当たりだ。
しかしマスター、良子さんの手前○原さんに「馬鹿野郎!」はないんじゃないの(((o(*゚▽゚*)o)))

皆様、申し訳ございません。
『天皇賞』の話しは明日になっていまいました。
またのお付き合い、宜しくお願い申し上げます。