北新地競馬交友録

大玉転がし

マスターの住んでいる神戸市H灘区は、やたらキッズが多い。
小学校の前を通ると、『秋の運動会』を控えて練習に余念がない。
それこそウン十年前になるが、マスターも赤い帽子や白い帽子を被ってはしゃいでいたクチ。
脚が遅いもんだから、50mだの100mでは大概がビリッ尻。
競馬で云うならタイムオーバーの連発で、マミー芳子ちゃんや、パピー義之ちゃんが「恥さらしが!」と頭を抱えていたそうな。

得意種目は『棒倒し』と『騎馬戦』
特に『騎馬戦』では、全体で闘う時は「逃げまくれよ。絶対皆が集まっている所にはいくな」と、下の馬をやっているキッズ達に命令をして生き残り。
決勝とも云える一対一の勝ち抜きの闘いでは、「頭からぶつかれ!相手がビビる大木で崩れるからよ!」と、自分はまるでダメージを受ける事なく、下の馬に犠牲を強いて勝ちまくり、「5人抜きだぜ!どや〜」
さすがマスター、キッズの頃から小狡かった(((o(*゚▽゚*)o)))

『大玉転がし』も得意種目。
早くゴールをするには、折り返しの旗が立っている手前で減速、スムーズに回る事が大切。
旗を上手く回れば後はひたすらスピードを上げれば勝てる。
「こら!失格や」
「何でだよ?」
「脚で蹴ったやろ。使えるのは手だけや。反則!反則」
これまた、キッズの頃から勝つ為には、手段を選ばぬところがあった(笑)
そんなこんなで、運動会の『大玉転がし』はお手の物だが馬券転がしの方は……。

阪神2R、ちょっとした気の迷いで「30万落とした〜」と泣きが入ったマスター。
もっとも競馬場やウインズに居てる限りは、後ろ向きに物事を考えても仕方ないと、競馬新聞を睨みつけるように見ている。
「マスターさん、3Rの豊ジョッキーはどうですかね?」
「芝を2戦使ってのダート変わり。 ひょっとしたらひょっとするが、無理する事ないんじゃねえの」で見送り。

5Rの新馬戦。
「エックスマス?なんだ〜この名前は。語呂は良くねえし………」
「未知の物質を探索する装置名だそうです」
アイホンをチョコチョコと操作した○原さん。
「ヘンテコリンな名前だな。お金持ちの考える事は謎だ」と云いながらも、2Rゴーフォワードの複勝で儲けたお金を張り付けた。

「最後の直線!内エックスマス、外ロライマ2頭の叩き合い!僅かに外ロライマか」で的中。
「やっぱ豊様はてえしたもんだ。ペースが遅いと見ての前付けからの抜け出し。安心して見てられるぜ」
150円付いて3000円の元手が転がり2万4千円ちょいになった。
「どんなもんだい!」と力こぶ。
「マスターさん!ありがとうございます。尊敬してます。」
「お〜ヨシ、ヨシ。もっと誉めろ。遠慮はいらねえよ」

ここまでは、キッズの頃得意だった『大玉転がし』並に上手に馬券が転がったんだが……。

続きはまた明日です。
皆様、お付き合いの程宜しくお願い申し上げます。