北新地競馬交友録

涙雨 その1

秋雨前線が停滞中。
秋の長雨と云うには、まだ少し早いが、この日曜日は終日雨に祟られて小倉も新潟も、そしてマスターの通っている神戸元町ウインズも雨。
そんな天気に合わせた訳ではないだろうが、マスターも涙、涙の一日となった。
その前兆は土曜日からあった。

「K君ウインズか?小倉5Rハコダテローズの単複1万づつ買っといてくれ。マニーは日曜日に精算すっからよ」
「無理です」
「なにが無理だよ。おちょくってんのか?あ〜ん?」
「そんな恐ろしい事しませんよ。まだ家なんです。少し所用がありまして」
「なにが所用だ!雄太が担いでも頭にと気合い充分なのに。なにやってんだ君は 怒」

「◯原さんに連絡してみたらどうですか?」
「あ・の・な〜。◯原さんは3千円しか持ってねえんだよ。そんな事ぐれえ知ってるだろが。もういい!おメーには頼まねえ」
木曜日、金曜日と続けて、有難い事にシャンパンラッシュ。
2日続けて飲み倒したもんだから、マスターよれよれだ。
目を覚ましたのが、レースの始まる45分前とは、まるでお話しにならない。

「◯原さんか?」
「はい、マスターさんコンニチワ」
「幾ら持ってる?」
(いきなりかい!)
「え〜と1900円です。午前中の出来が良くなくて、1Rの………….」
「そんな細けえ事はいいから、キャッシュカードぐらいあるだろ。2万円がとこ下ろしに行ってくれ。いま直ぐに!」
「カードですか?家に置いてます。お金を下ろせたら、ついつい使ってしまいますから」
「もういいよ!役立たずが」

自分の事は棚どころか天井裏まであげて、お年寄りに酷い発言のマスター。
これは許される事ではない。
ガッツリ競馬の神様のお怒りに触れた。
「外からハコダテローズ!快勝だ〜」
ニャンと!単勝が1060円。
複勝が340円。
単複1万円づつ買っていたら、濡れ手で粟の14万円払い戻しだったのに(≧∇≦)

「土曜日の勝負レースは小倉5Rだ。ハコダテローズを買わなきゃ男じゃねえぜ!」
元々、口が堅いのが売りでも、こと競馬に関しては別。
親しい方と顔を合わすたびに推奨していたもんだから………。
「マスター!ありがとう。儲かった」
「単勝2万円、複勝8万しか買ってないです。根性無しですわ俺は」
何人もの方からのお礼メールを見て渋い顔。
京都馬主協会会員F社長にいたっては、ご丁寧にPATの写メまで送って来られたそうなΣ(゚д゚lll)

「あったま来たぜ。いきなり12万落としたようなもんよ。これだから貧しい奴と付き合うのはやなんだよ」
己の体調管理のせいなのに、人のせいにするのは噴飯もんだが、人生すべからくこの程なのがマスター。
いい事は自分のせい、悪い事は人のせいにして、恬として恥じるところが無いとは、ある意味羨ましい性格なのである。
「札幌最終で、熨斗付けて返して貰わなきゃ気がすまない!」
これがまたまた切ない事態になるお話しは、明日です。

皆様、お疲れの所申し訳ございません。
引き続きお付き合いのほど、宜しくお願い申し上げます。