北新地競馬交友録

ルメール!何やってんだよ! その3

お盆、お正月、GWこのシーズンの旅行は高い。
何が高いかって、エアーも高かけりゃ、ホテルも高い。
「なんだよこの値段は、人の弱みにつけ込みやがって。全く持ってアタマ来るぜ」
毎回怒ってるマスター。
今年のお盆も沖縄にダイビングに行く予定。
サラリーマンでもないのに、そんな高い時期にしか行けないのは、自分の人生設計が狂ってた結果なんだが…….。

「まあ〜色々あっけどよ。馬券さえ吉とでりゃ瑣末な問題よ。この世の大概の厄介事は当たりゃ全て解決する。何だったらエアーは3席ぐらい取ってゴロンと横になったろかい!」
えらく威勢が良かったのは札幌10R大倉山特別がスタートするまで。
レース後には、「朝、昼、晩全てカップラーメンで凌ぐしかねえな。それともドンチャン騒ぎしてルメールに請求書送り付けるか」
なんて不貞腐れてんだから悲惨だ。

前走は太め残りとあって、絞れた今回は抜群のスタートから好位にさっと付けたハナズリベンジ。
3コーナ手前から、神様、仏さま、荻琢さまの10番タプロームが上がって行く。
「よっしゃ!荻琢露払いご苦労!ルメール付いて行けよ」
「行け!行け!」
マスターに乗っかったK君もシャウトだ。
バット!動かないルメールJΣ(゚д゚lll)

4角から捲ると思いきや、まだ動かない。
も〜マスター半狂乱だ。
「ルメール!何やってんだよ!」
ダテノハクトラが抜け出して、必死のパッチで追い込むも3着。
「アタマに来た。マイケル君のレクチャー無視しやがって、フランス人なんかを信用した俺が馬鹿だった。この馬券、どうしてくれるんない!」
3連単、アタマ固定のフォーメーションは鼻もかめないゴミと化した。

「3着でも立派ですよ。無理に捲ってたら3着も無かったかも」
よしゃ〜いいのに小猿◯原さん。
「おい!耳かぽじって聞けよ。今日の札幌8Rダート1700で勝ったファイトユアソングの時計が1.45.2。前走3着の時計が1.44.5。函館から札幌に変わったのと、重から良になったので0.7時計が掛かったんだ。前走のハナズリベンジの時計が1.43.8。今回の勝ち馬ダテノハクトラの時計が1.44.8。前走の1.43.8に馬場差の0.7足して1.44.5だろが。まともに乗りゃ完全に勝ってるよ。しかもだぜ、ハナズリベンジ前走の時計は最後完全に流した時計だ。何か云う事あっか?」

「◯原さん!マスターに謝った方がいいですよ」
「すんません」
「お父さんよ〜。こちとらお宅みたいに◎が一杯並んでるから大喜びして馬券買ってんじゃねえんだ。そんなレベルじゃ、とっくの父さんで退場だ。35年も生き残ってねえよ………….」
「マスターその辺で、◯原さんも乗っかて買ってたんですよ」
「マジカル?」
「はい、マジカルです」

しかしルメールは本当に許せん。
フランスとは国交断絶だ!と吐き捨てるように云ったマスター。
大きく頷くK君と◯原さん。
来週こそ、この3人に幸あれと祈る。