北新地競馬交友録

『口取り物語』VOL6 応援の作法 その2

「予習して来んか!」
「どうせ馬鹿ですから………やっても無駄。な〜山本!」
その昔キッズの頃、教師ビンビン物語に叱られて開き直るマスター。
自分より馬鹿だと思っている山本君を引き合いに出したら、「一緒にすんな!」と逆ねじを喰らわされてるんだから漫画も漫画。
馬鹿から馬鹿にされるとは救いがない。
そんなマスターが、いい歳こいて必死に予習に勤しむのは………..。

「なぬ!前走ダート1800で1分56秒6。こりゃ寒い。一歩間違ったらタイムオーバーの危険がデンジャラスよ」
普段お世話になっている馬主さんの愛馬が出走するレースを仔細に検討。
持ち時計、展開、騎手、枠、調教。
それを総合的に判断して、勝ち負け、馬券圏内、掲示板、8着以内、2桁着順の危険性あり。
そんな区分で判断。

もちろん勝って欲しいし…….2桁着順かもと思っていても、一つでも上をと渾身の応援はするんだが…….。
あまり期待出来ないお馬さんの場合、リアルに馬主さんと競馬場で応援するのは、まっこと!応援の仕方がディフィカルト。
「いや〜、タイムオーバーにならなくて良かったですね」なんて云った日にゃ、回し蹴りの1発や2発は覚悟しなきゃならない。
どうしても脚が重たくなるのは人情だ。

反対に勝ち負けの場合は、這ってでも競馬場に突撃。
お馬さんより、マスターが入れ込んで、レース前に四股まで踏むんだから現金たらありゃしない。
「大丈夫です!このメンバーなら、ジョッキーがリプトンティバックでお茶しても3着以内は間違いないでしょ。ドーン!と張りましょう。私もホレ!これですよコレ。ドーン!」と馬券をご開帳と相成る。
『笑ぅせぇるすまん』喪黒福造も仰け反るぐらいのアクション。
キッズの頃とは違って、予習をビッチリして来たもんだから自信満々だ。

ところが競馬は恐ろしい。
ジョッキーがリプトンティバックで……….のはずが…………..。
ま、まさか………….。

続きはまた明日。
皆様、お付き合いの程、宜しくお願い申し上げます。