北新地競馬交友録

第76回オークス 横山は横山でも

芸能プロダクションの不埒な行いが、世間様を騒がせている。
世の中の右も左も判らない女の子が騙されるのにはある意味同情するが、問題はその親御さん。
「デビューさせるから」と云われてマニーを毟り取られ怒っても後の祭りだ。
なりたいと、なれるのは違う。
夢と妄想は違う。
そんな当たり前の事を我が子に教えるどころか、自分が騙されてるんだから、救いようがない。

花の都東京のチャバクラに脚を踏み入れた事のある方ならご存知かと思う。
アイドルの卵なんていくらでも転がっている。
一山ナンボのリンゴみたいなもん。
なんせ本業の月収は、やれ2万だ、3万だってレベルだから、お水で稼ぐしか生きて行く術がない。
「アイドル目指して東京に出て来ました!」なんて云っても、傍からから見ればキャバ嬢しに上京したとしか見えないが、本人達はいたって大真面目。

そんなアイドルの頂点に立つのがAKB48。
昔はアイドルになるなんて、チョモランマかヒマラヤかって云うぐらいハードルが高かったが、見れば「まあ〜普通の女の子よりは少し可愛いかな」と云うレベルだ。
あれを見てると、「私もアイドルになれる!」なんて、オッチョコチョイな女の子が勘違いするのも納得。
そのAKB48で今、開催されているのが総選挙。
人気投票によって次のシングルのメンバーになれるかどうかが決まる。

「なんだよ?元気ねえじゃん。日本一の乙女を決める最終決戦、オークスがあるって云うのにシオたれてる場合じゃねえぞ」
「……………..横山由依ちゃんが…………….」
「はあ〜?何だそりゃ?」
「マスター知らないですか、AKB48の総選挙で、横山由依ちゃんが苦戦してるんです」
大阪北新地でBAR『Palms』を営むマスターの競馬友達K君は、有名私立大学を卒業、一部上場会社に勤めるサラリーマン。
独身で40歳を少し回ったザー太郎。
そのK君が愛してやまないのがAKB48の横山由依ちゃんだ。

「あ〜そう云や、ネットで中間発表載ってたな。しかしあの秋元ナニガシって奴は天才だ。CD買ったり、有料サイトに登録したり、ファンクラブ会員になったりしないと投票出来ないんだろ。そんなに横山由依ちゃんを応援したいなら、CDガンガン買って投票すりゃ〜いいじゃん。マニーはしこたま溜め込んでるんだから」
「もちろん一杯買ってますよ。使った金額は云えませんけどね」
「この野郎!マジか。そんな事にマニー使うぐれえなら、マスター、ご飯でもご馳走させてくださいとかねえの?全く持って頭きちゃうぜ」
「…………………….」

マニーを遣わせての人気投票。
極論アラブの王子が、「横山由依ちゃんを応援する!」とか云って、日本中のCDを買い占めたら1位になるって事か?(≧∇≦)
またそれをテレビで流す局があるっていうから泣けてくる。
その点、競馬界の乙女NO1を決めるオークスは、ケレン味なしのガチンコ勝負。
いくらマニーを積んだってどうする事もナッシングだ。

第76回 オークス

本命 ココロノアイ
桜花賞では2番人気を裏切る結果となったが、潜在能力はある。
調教のタイムもAAA。
人気落ちのここが狙いどころだろう。

調整過程が不安も完成度なら随一ルージュバック。
折り合いさえ付けばたまげる程強いレッツゴードンキ。
距離は任せなさいミッキークイーン。
屋根込みで怖い怖いクィーンズリング。
マスターが懇意にさせていただいている調教師さんが管理するアンドリエッテ。
ひょっとして前が残ればの先行シングウィズジョイ。
AKB48総選挙なんて目じゃないぐらい役者が揃った。
あれこれ目移りするが…………。

託して安心『いい部屋ネット』○○建託。
春のG1を既に2勝。
パーマ横山Jに託してみるか。
比べるのもなんだが、同じ横山でも、AKB48の横山由依ちゃんとはモノが違う。
マスターの見立てもココロノアイ。
「AKB48はどうでもいい。
こっちの横山で勝負しろってんだ!」らしい。
激しく同意する。

K君!いい加減目を覚ませ!