北新地競馬交友録

『口取り物語』 VOL1 盆と正月が一緒に来るはずが。

その昔、ちょんまげを結って、褌一丁の時代から、ウルトラ目出度い事を表すのに、使われていた言葉。
「盆と正月がいっぺんに来た!」

「マスター、3着何番や?」
「○○さん、アマタばっか見てんですから、3着なんてアイドントノーですが、14やないですか。で、4着が5番ですかね」
「そうか、5はあるけど14はないんや。3連単、頭固定で一目一万やから熱いわ」
「○○さん、エレベーター来ましたよ。そんなチンマイ事どうでもいいじゃないですか。愛馬が勝ったんですから」
「ド!ドアホ!上下200は違うで〜」

京都馬主会所属、某馬主さんとの勝ち馬専用エレベーターの中での会話。
その馬主さん馬は2番人気。
アマタ固定3連単、相手4頭フォーメーションで「どっからでも掛かって来んかい!」の構え。

だけんじょ!勝負事って云うのは残酷だ。
1番人気のKジョッキーは4着。
6番人気の川田Jの馬が3着に食い込んで、当たりは単勝と複勝のみ。
にゃんと!3連単が70230円付いたってんだから、「バッキャロ〜もう一点買っとけよ」てなもんだ。

この馬主さんは、※お父さん的に云うと激しく可愛い方。
「すんません!今からちょっと叫びますけど
気にせんといてください。なんせ愛馬が出てるもんで」
レース前には、馬主席で知り合いの方の顔を見れば、大きなガタイを深々と折りたたんで、おじぎをしておられます。

実際、愛馬がゴール前に掛かると、叫ぶ&机を叩く、横のオヤジの首は締める。
半端ないエキサイト具合は群を抜いておられます。
また、その馬主さんの応援団が「まかしんしゃい!何年競馬やっとると思うとるの」
気合入りまくりで、大阪の『天神祭』なんてオボコいの〜てな具合いの大騒ぎとなります。

見事1着、優勝でございますよ。
(立派やの〜祐介)
だけんじょ勝馬馬主専用エレベーターの中で、「14がないがな14が……….」
見事勝ったと云うのにドナ、ドナ、ド〜ナ、ド〜ナ。
○○さんの言葉で取り巻きが一斉に肩を落とす、阪神競馬ダート1400、2歳未勝利戦。

この続きは明日にでもご披露させていただきます。
愛馬が勝利。
馬券も大儲け。
盆と正月が一緒に来た〜!のはずが…………..。
「マスター、一着の賞金があるんですから、馬券がハズレてもいいんじゃないですか」って?
青い!野口五郎の『青いリンゴ』並の青さだ。
馬主さんの気持ちが痛いほど判る※お父さん。
金曜日にでも事の顛末を書かせていただきたい。
『宜しく哀愁』ヒロミ郷だ!

※北新地のホステスさんから『北新地のお父さん』と呼ばれています。

筆者は、大阪北新地で、馬主、競馬関係者、マスコミ、ファンが集うBAR『Palms』を、女子大生軍団を露払いに営んでおります。