北新地競馬交友録

鐘を鳴らすのはキズナ

あなたに逢えてよかった
愛しあう心が戻って来る
やさしさやいたわりやふれあう事を
信じたい心が戻って来る
町は今砂漠の中
あの鐘を鳴らすのはあなた

『あの鐘を鳴らすのはあなた』
歌 和田アキ子、作詞 阿久悠 作曲 森田公一

世間様はGWに突入。
テレビでは、国内、海外に旅行に向かう人々の様子が映し出されている。
アベノミクスのお陰なのか、株価も2万円を行ったり来たり。
円安で海外旅行はイマイチながらも、国内旅行は絶好調だとか。

2011年3月11日に発生した『東日本大震災』は死者15,891人、重軽傷者6,151人、行方不明者2,581人を出した。
未曾有の大災害である。
その震災から3年以上経つというのに、避難生活を余儀なくされている方が26万7千人。
仮設住宅に住んでいる世帯が10万を超えている。

「GWでこんなゴルフ場が空いてるなんて、生まれて始めや。ゴルフ行こうや」
「…………………………..」
昔、広告関係のサラリーマンをしていた※お父さん。
取り引き先の担当にそう云われたのは、『東日本大震災』を遡る事16年前。
『阪神淡路大震災』の年のGW直前だ。

当時、激震地区の神戸A市在住。
自宅は全壊で嫁さんとガチ生き埋め。
命からがら小学校の体育館での避難生活を3ヶ月送り、やっと大阪市内にボロボロのワンルームマンションを確保したところだった。

「この野郎!何がゴルフだ!何が空いてるだ。こちとら生き埋めになったんだ。ぶん殴っやろうか」
腹の中ではそう思っても、もちろん口に出す訳には行かない。
会社の人間は皆知っていたが、取り引き先には内緒にしていたからだ。
ゴルフに行こうと云うわれた時の気分たら……。

今だに避難生活や仮設暮らしを余儀なくされている被災者の方々。
どんな気持ちで旅行に向かう、幸せそうな人々の映像を見ておられるんだろうか。
自らの体験と重なって切ないったらありゃしない。

『東日本大震災』の年に、誰が云いだしたかは知らないが、日本全土に溢れていた言葉。
それは『絆』だった。
「ニシンは何処へ行ったやら〜」は北原ミレイの『石狩挽歌』だが、『絆』はどこへ行っちまったんだ。


第151回天皇賞(春)

本命 キズナ

アベノミクスに浮かれて、東北で苦しい暮らしをされている皆様を忘れちまったかのような日本国民。
そんな人達にもう一度『キズナ』と云う言葉を思い出して欲しい。
旅行やレジャーに使うマニーの10分の1。
いや100分の1でも募金をしようじゃないの。
そんな復興の鐘を再び鳴らすのはキズナだ!
鞍上はもちろん日本の至宝武ジョッキー。
豊大明神頼ム!

※北新地のホステスさん達からは『お父さんと呼ばれている

筆者は、大阪北新地で、馬主、競馬関係者、マスコミ、ファンが集うBAR『Palms』を、可愛い女子大生を太刀持ちに営業しています。