北新地競馬交友録

チアーズ(乾杯)

日本で一番賑やかな繁華街と云えば、云わずと知れた東京銀座。
その銀座とは、月とスッポン、提灯と釣鐘、メダカと鯨ぐらいの差がありますが、次に賑やかなのが大阪北新地。
その北新地で、馬主、調教師、騎手、スポーツ新聞•専門紙記者、ファンが集うBAR『Palms』を、可愛い女子大生達と営んでいます。

競馬歴35年と云っても「うそだ〜」と鼻で笑われるぐらいの馬券下手ながら、思い入れ馬券で大きなところをたまにゲットして、「どんなもんだい!」と、見得を切る事もたまにはあります。
そんなパッとしない※お父さんの馬鹿話しですが、皆様、暫しお付き合いのほど、宜しくお願い申し上げます。

「差せ!差さね〜か!コンニャロ!N差せ〜!」
(Nジョッキー、品が悪くて申し訳ない)
4月26日、午後3時25分過ぎ。
台所でコップを洗っていたママン芳子ちゃん(83歳)が、あまりの大声にビックリ。
思わずコップを落としちまった。
完全に気が狂ったと思ったらしいが、さにあらず。

「マスター、紹介するわ。こちらNジョッキー」
「遠路はるばる大阪くんだりまでご苦労様です」
「いや〜、美浦から心機一転関西に来ました。Y厩舎のお手伝いをさせて貰いながら、関西で頑張ろうと思ってます」
「マスターそう云うこっちゃ」
本業は法曹関係のお堅いお仕事、土日は競馬三昧で本まで出しちゃったTさんからのご紹介。

礼儀正しくて、頭の回転も鋭い。
某調教師からも「真面目だし、技術もあるけど、美浦では馬に恵まれなかったからな〜」との話しに更にハートが動いた。
もっとも50面下げて、パドックに「頑張れ!Nジョッキー!は〜と」なんて、横断幕を張る訳にはいかない。

「マスター!Nジョッキーに乗って貰うで」
「マジですか。やった〜」
※お父さん子供のように大はしゃぎ。
「4月26日福島メイン『福島中央テレビ杯』や」
「げ!メインですか。初めてなんで未勝利かなんかで」
「マスターの紹介やから頑張ってくれるやろ」
「……………..デンジャラス……………ヤバス(≧∇≦)」
なんてったって特別は、どの陣営も気合いの入り方が違う。

「乗せてあげてください。お願いします」に応えてくださったのは、京都馬主協会所属馬主のSさん。
しかし、いきなり特別のメインとは、1000万クラスとは云えハードルは低くない。
もし、後ろの方で馬場掃除なんてハメになったら…….想像するだに恐ろしい。
パスポート握り染めてフィリピン辺りに身を交わすしかない。

1

オッズは単勝20倍の10番人気。
なんとか掲示板を確保してくれれば格好は付くと思っていたが…………..。
なんの!なんの!南野陽子。
スタートでは、一瞬出負け気味ながらも、さっと好位に取り付く積極的な騎乗。
4角を回って最後の直線では突き抜ける勢いだ。
アタマが欲しかったが、残念ながらの2着。
(隼人!しぶてえな〜 怒)

しかし、10番人気での2着は立派。
このクラスでは3走前に浜中Jが3着に持って来たのが、いままでの最高着順なんだから胸を張れる。
よっしゃ!判った!と乗せてくれた馬主のSさん。
付き合いが殆どないのに、騎乗を快くオッケーしてくださった調教師さん。
プレッシャーなにする物ぞ!で結果を出したNジョッキー。
皆さんのオトコギに心の底から※チアーズだ!

2

※チアーズとは英語で乾杯の意味
※ホステスさんからは、『北新地のお父さん』と呼ばれてます