北新地競馬交友録

記憶が確かならば

オレオレ詐欺が少し下火になったかと思っていたら、昨今は強盗が多発し、ネットのニュースを賑わしているが、鉄板ネタは美食。
日本経済は失われた20年とも25年とも云われているが美食ブームは不滅だ。
その火付け役を担ったのが、MCの鹿賀丈史が黄いパプリカを齧りながら、「私の記憶が確かならば•••••••••。」で始まる『料理の鉄人』
北新地の「味は心や!」黄泉の国に旅立たれた神田川親方も多いに気を吐いていた。

春闘でお給金の5%アップを目指す。
市井の人々の願いはいたってささやかであるが、美食を追求する富裕層はマネーを惜しまない。
北新地でもミシュランを取っているような店は和洋中に関わらず、飲み物を入れるとおおよそ一人4万円弱。
たまにお呼ばれするが、スーパーLIFEで、少しでも安い肉はないか、「おい6時や!値引きのシール貼れよ!」と店員に圧を掛けている身としては異次元の世界である。

鹿賀丈史風に云うならば、「私の記憶が確かならば、9人で40万払っていた。」
美味しくて当たり前、何ともふざけた話しだと思うが、ご相伴にあずかるのはやぶさかではない。
また、誘ってくれたまえだ。

「よ〜し!ナンデそっから伸びて来い!」
北新地の盆暗が渾身のシャウトを発するもまるで伸びず。
『東海S』のハヤブサナンデクンは3着を確保するのが精一杯で、単勝20000円複勝30000円を購入するも、単勝はゴミと化し、複勝の配当が170円。
50000円買って、払い戻しが51000円なんて、漫画みたいな結果となったのが先週の日曜日の話しである。

「マスターおはようございます。惜しかったですね。直線に入った時点では勝つと思いましたが。」は、一部上場プライム企業で禄をはんでいる競馬友達のK君。
「だよな〜。馬体を外から被せて必勝体勢なのに、何故か伸びない。ムルザバエフには突き放されて、将雅には追い込まれてヨレヨレ。やっとこさ3着を確保しているんだからどうしようもねえョ。」と泣きが入る日曜日の神戸東灘区午前7時過ぎ。
お約束である。

「今日はどのレースで勝負しますか?」
「東京9R『セントポーリア賞』一択だろう。お世話になっている京都馬主会会員さんの愛馬ジェイパームスの出陣だ。前走の『ホープフルS』では、いいスタートを切ったのに何故か控えて馬群に沈んでのいいとこなし。どうしてそんなレースになったのか戦犯は判っているが、いまさら蒸し返してもしょうがあんめい。デビュー戦ルメールが乗って好位に付け、加速ラップを刻んでの楽勝を忘れちゃいけまーが。」

「あのレースは強かったですね。で、馬券はどのように?」
「単勝に2万、馬連でジェイパームスからデムーロのシャンドゥレールに1万と5千。武史のべラジオオペラに1万。瑠星のフェイトに5千。締めて5万両で勝負を掛ける。屋根が将雅なのもいい。その昔豊がハナ争いで競ってくる若手をひと睨み。びびって最後方まで下がっちまったなんて伝説があるが、今は将雅が番長だ。喧嘩売る屋根はいねえョ。しかもルメールが回避だもんな。」

『料理の鉄人』の鹿賀丈史のように、「私の記憶が確かならば••••••••」とジェイパームスに入れ込む北新地の盆暗だが…………..さて。