北新地競馬交友録

胆力

近畿圏で、滋賀県と並んでパッとしない県と云えば奈良県。
「どちらにお住まいですか?」と聞かれたら、「学園前です。」なんて答えても、「奈良です。」とはまず云わない。
大昔、我がJapanの都だった事を知らない若者も少なくないであろう。
そんなこんなで、近畿圏でもハミゴにされている奈良県だが、新型コロナウイルス禍で、俄然輝きを放っているのが知事の荒井正吾さんだ。

「『オミクロン株』による感染急拡大が続く中、『蔓延防止等重点措置』は効果がないので、国への申請を行わない。過去の、『第4波』『第5波』の検証から、飲食店の営業時間短縮と酒類の販売停止が感染者数の減少につながっていると云うエビデンスはない。よって医療が逼迫するから飲食店を時短するというロジックは成立しないだろう。奈良県はこれまで飲食店に時短要請をしなくても、感染は収束している。」

更には、「日本人は自然災害には誇らしいほど冷静だが、感染症にはパニックになる傾向がある。今は感染予防の4原則、マスク着用▽距離をとる▽換気▽消毒―を徹底することが大切で、辛抱強く、用心して暮らしてほしい。感染の波は高くなったり低くなったりする。行政としては重症者と死亡者を出さないことに最大の力を入れ、医療体制を維持していく。」と、荒井知事はこの新型コロナウイルス騒動の本質を喝破し、その対応を述べている。

てめえの思惑で、『蔓延防止等重点措置』を出したくてウズウズしていた緑のタヌキは別格としても、直接選挙で選ばれる知事達は、ジミー大西ばりの「やってる!やってる!」に血道を上げている。
その代表格が、「どこまで効果があるのかと思っている。」と疑念を示しつつも、「やらないより、やった方がマシ。」と日和ってしまった我らがヨッシー。
マスターの店のある北新地はもとより、南も含めてゴーストタウン状態の大阪。
正直お手上げで、どうする事もナッシングだ。

「同じ戦い方をしろよ、という『同調圧力』には与しない、エビデンスがない中、『蔓延防止重点措置』や『緊急事態宣言』を連発するのは天下の愚策である。」と一刀両断の荒井正吾知事。
まさに肝の据わった日の本一のおのこなるなりである。

「マスター、おはようございます。先週は惜しかったですね。デインティーハートがアタマなら大儲けでしたが。それでも複勝がそこそこ付いて何よりでした。」は、競馬友達のK君。
「そうよな〜。拓弥も頑張ってたが、シンティレーションの武史に、ロックオンされちゃ〜どうする事も出来まぁが。仕方なかろうもん。」
いつもなら、ボヤキにボヤくマスターだが、妙にサバサバしている。

「今日は、中京ですか東京ですか?」
「中京の『シルクロードS』は、考えるだけ無駄。まず当たらねえョ。メイケーエールの取捨一つ取っても難し過ぎる。軸にするならナランフレグとカレンモエの同居してる5枠だろうが、2頭ともお隠れあそばしても何の不思議もねえもんな。」と、まるで気がない様子。
「じゃあ『根岸S』ですね。『フェブラリーS』の前哨戦。なかなか面白いメンバーが揃いました。先行激化ですか?」

「だよな〜。リアンベリテ、トップウイナー、ヘリオス、逃げてナンボの馬が揃っている。ルメ公のエアアルマスだって中段で脚を溜めてなんて競馬は出来ねえだろうしョ。発表!『武蔵野S』でズンナイ上がりを繰り出した和生のオメガレインボー、東京コースは我が庭なり明秀のタガノビューティー、その2頭に勝っている圭太のソリストサンダーの3つ巴だろう。中でも和生のオメガレインボーに気がある。大活躍の弟の陰で存在感は薄いが、なかなかどうして肝が座った騎乗を見せる。」

「馬券はどのように買われますか?」
「和生から明秀、圭太に平で2万づつ、縦目の明秀、圭太に1万でいてこます。」と結論付けた。
奈良県の荒井知事じゃないが、マスター、ここ一番!胆力を見せてくれ横山和生J!のようだが……….さて。