北新地競馬交友録

象徴

師走に入り、今年も残すところ僅かになった25日。
東京地検特捜部がIR事業参入を目指したChinaの企業側から、現金300万円や約70万円相当の利益供与を受けたとして、収賄容疑で自民党衆院議員秋元司容疑者を逮捕した。
同党の白須賀貴樹衆院議員らの事務所も、芋づる式に家宅捜索されている。
俄かには信じ難いスキャンダルだが、振り返ってみれば、今年は政治絡みのスキャンダルが目立った。

内閣改造で入閣した大臣がメロンやカニを配って辞任。
嫁と二人三脚で公職選挙法を堂々と破っているのが発覚した大臣が辞任。
内閣改造から僅か1か月半で主要大臣がお役御免で、国会にも出て来ない給料泥棒と化している。
そして極め付けは、我らが安倍ちゃんが『桜を見る会』を私物化。
税金で後援会の面々に大盤振る舞いをして、早く正月とオリンピックが来てくれ!そうすりゃ馬鹿な国民は忘れてくれるはずと、一日千秋の思いでいると云うのだからどうしようもない。

自民党衆院議員秋元司にすれば、「親分が好き放題やってるんだから、俺だってやらせて貰う。金儲けの何処が悪いんだ。」と云ったところであろう。
上から下まで腐り切って、モラルのモの字もない輩が大きな顔をしている政治屋どもだが、それを選んだのは国民であるのも事実である。
昔から『その国の政治家を見れば民度が判る。政治家は国民を写す鏡。」と云われているのをご存知の方も少なくないはずだ。
それにしても、Chinaからマネーを貰うなんて………今年を、そして今の政治を象徴するようなスキャンダルである。

「発表!今年の総決算『有馬記念』、悩みに悩んでいたが牝馬で行く!勝つのはアーモンドアイかリスグラシューどちらかだ。3連単、一列目に6.9、二列目、三列目にプラス2.5.10.11.14.15の84点各1千。保険で枠の3ー5に3万と5千、5ー5に1万と5千、3ー3に3千。先週の儲けも全部打ち込みたいところだが、おめー達が馬鹿ほど寿司を食ったから残りのマニーを総動員だ!」と結論付けたマスター。
アナフィラキシーショックから、命を救ってくれた女性救急隊員にあやかってのウーマンズ馬券を購入したのだが……..。

「第4コーナーから直線!先頭はステッフェリオ!ステッフェリオ!アーモンドアイ!間からはフィエールマン!外からサートゥルナーリア!そしてお〜外からリスグラシュー!坂を上がってリスグラシューが抜けた!2番手サートゥルナーリア!先頭はリスグラシュー!リスグラシュー!ゴールイン!見事に令和初のグランプリホースの座を射止めました!リスグラシューです!」
1着 リスグラシュー レーンJ
2着 サートゥルナーリア スミヨンJ
3着 ワールドプレミア 武J
4着 フィエールマン 池添J
5着 キセキ ムーアJ

家でグリーンチャンネルを見ていたマスター。 
「あったま来たな、せっかくアーモンドアイがぶっ飛んでくれて、リスグラシューが頑張ったのに、3連単の3着がねえョ。当たりは枠連の3万と5千だけ。300円しか付いてねえから、堂々のガミ興業だ。謙一が3着なら531倍、ムーアなら713倍。軽く50万を落としちまった。枠連で10万ぽっち払い戻しがあっても、この年の暮れ何の役にも立たないぜ。」と熊本天草出身の○原さんにスマホでボヤキ節。
「マスターさん、今年は厳しかったですね。」
「ああ、長ぇ間馬券を買ってるが、こんなに酷ぇ年は初めてだ。もう競馬なんて止めなさいと、神さんが教えてくれてるのかもな。」
「………………………」

Chinaに国を売り渡す所業が露見した国賊的国会議員じゃないが、せっかくウーマンズ馬券に目を付けたのに、終わって見れば取りガミのマスター。
どちらも今年を象徴するかのような出来事なのである。